Please Dr.Pepperman

音楽とかラーメン好きです

リンダリンダの向こう側を見に行こう

THE BLUE HEARTSといえば日本を代表するパンクロックバンドだ。
70年代のイギリスのパンクロックのサウンドで優しい日本語を歌い、ステージを駆け回るその姿は、直撃世代はもちろんのこと世代じゃない僕たちにも、その下の世代の若者にも多大なる影響を与えている。

 

彼らには素晴らしい曲がたくさんある。

代表曲を挙げると
「ドブネズミみたいに美しくなりたい 写真には写らない美しさがあるから」
と歌う「リンダリンダ」や
「終わらない歌を歌おう 全てのクズどものために」
と歌う「終わらない歌」がある。

中高生だった僕たちは、その「どうしようもない自分」を肯定してくれるヒロトマーシーに強い憧れを持った。

 

青春時代というものは、自尊心やプライドだけがドンドン膨れ上がる一方で、

年を取るにつれて自分が何者にもなれないただの凡人であるということに徐々に気づかされる時代でもある。

その現実との狭間で、僕が僕であることを証明するために、「僕らのための音楽」であるブルーハーツを歌いまくった。

 

それでなんとか20代になり、

就職活動で自分が何者でもない人間であることに完全に気づかされ、

世間なんか上手く渡ることが出来ずに、あれだけ卑下していたオトナたちのズルを自分たちも使わざるを得ないようにまで僕らはボロボロに打ちのめされた。

僕はヒロトマーシーの歌のように美しくなれない、終わらない歌は終わった。そんな大人になるしかないんだ。

 

そんな就職活動真っ最中に大好きなGEZANの新曲がYoutubeで公開された。

 

www.youtube.com


その歌はこんな歌い出しから始まる。

「おわらない歌がおわったから 暗闇なんだ 現在
りんだ りんだ じゃもう 震えない こころ からはじまるimagin を 」

僕はそれを聴いて、鳥肌と同時に涙が溢れでた。
ブルーハーツといえば僕の聖典であり、おそらく、彼らにとってもきっとそうだろう。そんな聖典を冒頭のたった2行で否定したのだ。

 

彼らは2番で
「イカれた時代に 飲まれた次第に 息をしてるだけぼくらは死体です
シティポップじゃなんか足りない リンダリンダはもう聞こえない」
と歌う。

つまり、この歌は言ってしまえば
「大好きなブルーハーツが、自分のための歌と思えなくなった人」への歌なのだ。


時代に飲まれて動く死体になった、それでも音楽は大好きで、
でも、いま流行してるシティポップじゃ満足できない。
あれだけ大好きだったブルーハーツはもう聴こえない。

 

そしてサビでは
リンダリンダのむこうを みにいこう 
切れた弦で編む未来を エンドロールの つづきと
奇跡を今ここではじめよう 音が鳴り止む前に
残された白いぶぶんで歌うんだ」
と歌われる。

 
つまり、現状に対して彼らが出した答えが

リンダリンダ」や「終わらない歌」が終わってからの世界だ。
しかもそれは「現実」ではなく、「想像」だ。

彼らは曲中に何度も
absolutely imagination imagination war
と繰り返す。

そうだ、これは絶対的な想像なんだ。想像の戦争なんだ。
MCでVo.のマヒトも言っている。
「この先も色々たぶんあると思うんですけど、想像力で全部超えていこう」
終わらない歌が終わったならその先を想像力で切り開いていけばいいんだ。

 

GEZANは昨年、長年活動していたオリジナルメンバーのドラム、シャーク安江が脱退した。

それまではずっとオリジナルメンバー4人で活動していたので、大きな影響があるだろうな、と思っていたが中心人物のマヒトは「もし一人になってもバンドを続ける」と言う。

これは「終わらない歌が終わる」象徴的な出来事である。

けど続ける。続けるんだ。

 

ある意味で銀杏BOYZの歌う「未来はないけど泣いちゃダメさ」や、尾崎豊の歌う「僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない」の言うことと近いのかもしれない。

 

僕らがこの世界で正気を保っているためには、つらいことや、自分すらも超えてゆく想像力を持ち続ける必要がある。終わらない歌が終わったならその先を想像し続けるんだ。つまり、楽しいことをしまくる。

 

 

歌の 最後は

「どうしても忘れたい記憶よりも どうしても忘れたくない記憶の方が多いから 今日もオレらの勝ちなんだ」

で締められる。

 

GEAZNは前からそうだった。

 

これだけあーだこーだと長ったらしく書いたけど、このマヒトの言葉がすべてだと思う。

 

夏がはじまる。

Absolutely Imaginationも7月にCD化するみたいで、これからGEZANを聴く回数が増える気がします。

学生最後の夏をGEZANと共に楽しむぜ!!